何故ラマーズPは謝ってしまったか ~ BEMANIシリーズに参加するということ

まぁ、この件を簡単に説明しておきますと、サウンドボルテックスというコナミの音ゲーに、「ぽっぴっぽー」で有名なラマーズPが楽曲を提供しました。
【初音ミク】ぽっぴっぽー【本店だよ!!】

その曲は、コナミのbeatmaniaIIDXのSecond Heavenという曲のリミックス。
http://p.eagate.573.jp/game/sdvx/sv/p/booth_contents/contents_02_05.html

ここまでは良かったのですが、この曲によってラマーズPはツイッターを始めとした音ゲー界隈で叩かれに叩かれまくり、ツイッターで謝罪ツイートをするまで追い込まれました

何故、ラマーズPは謝ったのか。
むしろ、何故謝ってしまったのか
そんな風な事を書いていきます。

第一章 サウンドボルテックスのいる場所

サウンドボルテックスという音楽ゲームがあります。
http://p.eagate.573.jp/game/sdvx/sv/p/index.html

この音ゲー、コナミの音ゲーシリーズBEMANIの最新機種でございます。
珍しく公募を主体としたもので、基本的に「プロではなくアマチュアを使っていこう」という、非常に実験色が強いゲームでもあります。
SOUND VOLTEX smooooch・∀・ KNmix (Basic) First play

この手の公募タイプですぐにパッと思い付くのが、皆さんお馴染みの初音ミク Project DIVAでしょう。
【初音ミク】楽曲募集コンテスト二次選抜発表 【Project DIVA Arcade】

しかし、サンボルとDIVAの決定的な違いは、強烈な求心力を持つキャラクターの有無。
そして、楽曲の明確な評価基準です。

DIVAは、初音ミクを始めとしたボーカロイドキャラクターが認知度をあげてくれます。
更に、ボーカロイドというDTMソフトにより、評価の線引きを明確にしてくれます。
ボーカロイドという楽器をいかに上手く使っているか、もしくはうま味を生かしているか。
この明確な評価項目は、私たちの評価・楽曲の理解力にものすごい助けをもたらしてくれている事でしょう。

一方の、サウンドボルテックス。
本作にも、メインキャラクターとしてレイシスという女の子はいますが、ボーカロイドのそれに比べて明らかに求心力はありません。
ゲーム中にもキャラクター要素はほぼ皆無、キャラクター萌え勢に視覚的な訴えはほぼ無理でしょう。
もちろん、アイコンやジャケット絵などその要素はありますが、DIVAのそれに比べて圧倒的に劣ります。
明確な評価の線引きとなるような項目なんて、もちろんありません。

つまり、サウンドボルテックスもやはり15年近い歴史を持つBEMANIシリーズの一つであり、楽曲と譜面に比率が置かれたゲーマー向けゲームなのでしょう。
サウンドボルテックスの立ち位置は、ゲーマー向けゲームシリーズBEMANIの歴史の、一番新しい場所、という事になります。

第二章 事件の顛末
そんなサウンドボルテックス。
稼動開始当初から公募をやるとは言いつつも、まだ開始はされておりません。
まぁ色々準備はあるよね、でもいい加減さっさとやれよ」と言われてきていましたが、そんな中で最近楽曲が追加配信されました。
その中の一曲が、Second Heavenという曲のリミックス。
http://www.konami.jp/bemani/bm2dx/bm2dx14/song/second_heaven.html

リミックスしたのは初音ミクを使用した曲「ぽっぴっぽー」でニコニコ動画で絶大な人気のあるラマーズP。

まずは原曲であるSecond Heavenがコチラ。
Second Heaven

そしてリミックスであるSecond Heaven Lamaze-REMIXがコチラです。
【SOUND VOLTEX】 Second Heaven Lamaze-REMIX-【NOVエフェクト入】

もう、原曲にそれほど思い入れがない人でも聞いて分かるヤバさ
何が悪いかと言えば、18秒からのVOCALOID

こうなったが最後、ラマーズPはもうものすごい叩かれました。
そして、ラマーズPは最悪の対応をしてしまいました。

そう。
謝ってしまったのです。
ネット上では謝ってしまったが最後、それが自らの非の証拠になってしまいます。
アンチも擁護も敵に回す、超絶に危険な行為

恐らく、彼は今までなかったほどの。むき出しの理由なき悪意に負けてしまったんだと思います。
今までニコニコで曲を発表するたびに褒められ、気の合う仲間が出来、実際にCDも売れて収入が得られ、そして皆が楽しんでくれる。
こんなにも幸せな事ってないじゃないですか。
その幸せを守ろうとした結果、自分で考えるなかで最良の判断だったのでしょうが、それは逆です。
謝ることで、全てが終わるのです。

第三章 理由なき悪意、悪意ありきの理由
基本的に、曲の良し悪しなんて人それぞれ。
誰だって好きな曲があれば、退屈な曲、嫌いな曲があります。
そこには理由はなく、およそ感性の世界
知らない曲なら「ふーんあっそ」で済みますしね。

しかし、今回は既存曲のリミックスというのが悪化させました。
原曲があるということは、その曲が好きな人がいるという事。
その人たちを全員喜ばせる曲なんて、まず作れません。
ましてや、リミックス自体を気に入らない人がいるかも?

そして、めでたくアンチが誕生しました。
「公式で、クソみたいなリミックス曲作りやがって!!」

そこに、『ニコニコで人気だから』叩く人が参入します。
「BEMANIシリーズにニコ厨が来るな!」

更に、『初音ミクとかキモい』勢が横合いから滑り込み参入。
「キモい。滅ぶべき」

そういう人が、大挙して押し寄せて来たのでしょう。
ここまで書くと分かりますが、彼らには何一つとして筋が通った理由はありません。
全員が全員、感性と感情に任せて発言しています。

だがしかし、擁護しようにも、あの曲じゃやりにくい。
だって明らかに狙いにいった笑いがスベっているんだもの。
だだスベリした人を、どうやって擁護出来るんだっていう。
「お前が作れよ」って言うにしてもまだ公募始まってないし・・・。
そもそもニコニコで無料で公開してるものじゃなくて、商業のちゃんとした仕事でコレだし・・・。
というかオリジナルだったら「お前が合わないだけだろ」でいいけど、これリミックスだから原曲のファンがどうこう言うのとか止められないし・・・。

とかなんとかやってたら、そこに飛び出した、作った本人からの謝罪。
これは、擁護寄りの人すら敵に回す謝罪でした。
「謝るなんて…謝る様な曲を作って公式に送ったのか、、、」

ついでに直後のツイートで、本人はBEMANIに対する理解が足りなかったとも言い、これがまた火に油。
「好きでもない曲だからとテキトーにリミックスしたのか貴様ァ!!!」
「コイツ非公式RTでわざわざ指摘したやつのツイートを転載してるぞ!!逃げられないようにして信者に突撃させる気だ!!!
「性格悪すぎだろオィコラ!!」
「機械音声キモい。滅ぶべき」

とかなんとか。

第四章 ラマーズPはどうすべきだったのか

結論から言えば、誰もが思っている通り、「何の反応もすべきではなかった」です。

まぁ要するに、ヤクザとか暴力団みたいなものと言っても、差し支えない感じ。
ヤクザとか暴力団といった反社会的組織は、因縁つけてくるのが仕事。
で、この反社会的組織への対応で一番やってはいけないのが、謝罪。
謝罪するということは、非を認めたことになりますからね。
そして、謝罪すると今度は必ず一筆書けと言われる。
なぜか?
彼らは、それを証拠にゆするネタにするから。
ネットの場合、謝罪を書き込むこと、それ自体が既に文書として謝罪したことになってしまうので、超危険!!
ゆすりのネタが、生まれたのです。
ラマーズPには「れっきとした商業の仕事で、適当に仕事をした」というレッテルがこれから延々と貼られ続ける、という事になるのです!
実際はそうなのかはもちろんわかりませんが、ラマーズPは非を認めて謝罪しているんだから、そういう発想に至っても、仕方ないね。

こうならないために、ラマーズPはただ黙っておくべきでした。
黙って耐えて、次回があれば、そこで新しい曲を発表して実力で黙らせるべきでした。
実際はもう謝ってしまったので全てが手遅れですが。

絶対に許さないよ!!
http://dic.nicovideo.jp/a/絶対に許さないよ
http://www23.atwiki.jp/homashinchiw/pages/83.html
ってやつ?

第五章 2つの作曲者としての完璧な姿勢

では、どうしてこうなってしまったのか。
基本的にネットからの叩きなんてむき出しの悪意のみで、その悪意には理由などありません。
「俺が気に入らない」「テキトーさを感じる姿勢」という理由はありますけど。
前者はともかく、後者の「テキトーさを感じる姿勢」というのは、割と致命的だったかもしれませんね。
何故か。
それはBEMANIシリーズ15年の歴史の中に、2つの作曲者としての完璧な姿勢があったから。

ひとつは、オリジナル曲を提供する際の姿勢
beatmaniaIIDXという音楽ゲームに、DJ TAKAというコンポーザーがいます。
彼は早くからbeatmaniaIIDXシリーズに参加し、オリジナル曲を提供していました。
しかし、コレがまぁ毎作叩かれる
高難易度の譜面が与えられることも多く、それが原因で叩かれる事もしばしば。
作る曲作る曲が、叩かれる。
しまいには容姿で叩く人も現れる始末。
色々思うところも、もちろんあったでしょう。
長年、叩きに対するレスポンスはなかったのですが、rainbow flyerという曲コメントで、初めて「自分自身に対する叩き」に触れました。
http://www.konami.jp/am/bm2dx/bm2dx8/songs_rainbow.html

オレがオレであるための曲。
もちろん音楽は聴く人のためのモノだし、どう感じるかは聴く人それぞれの自由だけど、誰に何て言われようとオレはオレなんだ、を貫けた曲。

beatmaniaIIDX 8th style – Rainbow Flyer

他人に何を言われようと、コレが俺なんだ
本流の「Trance」とは確かに違うかもしれないが、この「Trance」が俺の「Trance」なんだ、と。
自信を持って、力強く。

そしてもうひとつは、リミックス曲に対する姿勢
同じくbeatmaniaIIDXに参加したコンポーザー、DJ TECHNORCH
彼がリミックスしたのは、L.E.D.LIGHT-Gが作曲したHELL SCAPER
beatmania GOTTAMIX – HELL SCAPER

その曲が、HELL SCAPER – Last Escape Remix –
http://www.konami.jp/bemani/bm2dx/gs/15djt/newsong/ns_07.html

「俺はこの曲を聴くために産まれてきたのだ」
それを聴いた瞬間、彼の時間に初めて価値が産まれた。
彼の人生は変わったのだ。ただの一曲が変えたのだ。

ヘルスケイパーは私の人生だ。
ヘルスケイパーは私の全てだ。

私はこのリミックスに自身の全てを出し切った。
原曲の大好きな要素を何一つ削らずに「私」を乗せきってみせる。

IIDX DJ TROOPERS CS – HELL SCAPER -Last Escape Remix- (SPA) Autoplay [720p compatibility]

ここまでの気持ちを持ってこその、リミックス。
自分の人生が変わるほど大好きな曲をリミックスしたいのだ、という気持ちをもってこその、リミックス。

このコメントの熱さと、ラマーズPの謝罪を比べてはいけませんが、比べてしまうと・・・。

最終章 守らずに攻めよう

もちろん、コナミはラマーズPがツイッターやってることは知っていたでしょうし、ラマーズPもツイッターをやっているという事は、プレイヤーから直接反応が欲しかったという事でしょう。
コナミ的には公式でこの曲を収録したということは「コレでオッケー」だったわけですしね。

まさか、コナミが「コレで様々な理由なき悪意のカタマリがストレートに飛んでくるだろうけど、そこは反応しちゃダメだよ」なんて、アドバイスするわけない。
「BEMANIシリーズは歴史があって、色々面倒くさい人が多いので、気にしない様に」とか、言うわけない。

コナミからオファーがあって、ラマーズPがリミックス曲を作った。
ただ、そのリミックスした原曲に、というかそのゲームのブランドに思い入れが強烈にある人が、多かった。
そして、後で謝るくらいなら、作らない方がよかった(かもしれない)。
そういう事なんでしょうかね。

繊細な人にツイッターをやらせてはいけない・・・。
ツイッターはイベントと同人CDの宣伝、ニコニコ生放送の告知だけで十分なのだ・・・。
とかなんとか。

皆さんも自分の発表した作品が叩かれても、決して過去の自分を守るような発言は辞めましょう。
むしろ攻めるべき。
「叩かれた!!畜生!!次で見返してやる!!!」
という感じで。

もちろん、批判全てに蓋をしてはいけませんよ。
自分とは違った意見というのは非常に貴重、有意義に使える部分だけ、かいつまみましょう。
全ては自らの糧に!

クリエイティブなクリエイターも大変だ!!