300 帝国の進撃 レビュー感想
映画『300 帝国の進撃』オフィシャルサイト
毎週水曜レディースデー。ちょっと前まで1,100円だったような気がするけど1,200円でした。学生だった頃は1,000円だったような……。まぁいいか。ネタバレ感想あります。
今作の『300 帝国の進撃』は続編モノ、前作は『300』というタイトル。続編が『300 2』とかにならなくてよかった。
300[スリーハンドレッド]
史実のテルモピュライの戦い(Wikipedia)を下敷きにしてますが、基本的に「筋肉ムキムキマッチョマン300人 vs 自分が神だと思ってる人を頂点にしてる国家のトンデモ軍隊」というハチャメチャバトルアクションでした。観終えると腹筋が割れている気がするので、深く考えなくても良いです。このMAD動画くらい気楽に観よう。
という『300』を踏まえての、『300 帝国の進撃』です。
R-15ですので女性陣がトップレスだったり男性陣はグシャー!であったりしますが、画面やCGの綺麗さは凄いのでホラー映画を見た後のように気分が悪くなるということは無いかと。カップルで見るような映画ではないかな。
舞台は前作と同時刻に別の場所で起こっている海上戦。そのためか、前作のキャラクターが結構出てきます。ウォーリーを探せではありませんが、知ってるスパルタ兵を探せ!みたいで面白い。「え、あのキャラってそんな特技あったの!?すぐに穴に落とされたのに!?」とか妙な自分ツッコミをいれつつ。
で、舞台は良いんですけどストーリーと新規キャラクターの掘り下げがちょっと微妙かなぁ。流れを表しますとこんな感じです。
- ここまで戦争が大規模になったきっかけの戦闘
- 敵のペルシア王クセルクセスがどうやって神になったか、敵の女将軍アルテミシア登場
- 主人公テミストクレス将軍がスパルタ軍に協力依頼するも断られる
- 海上戦 その1
- 海上戦 その2
- テミストクレスとアルテミシアの交渉合戦
- 海上戦 その3
- スパルタの王であり前作主人公レオニダス戦死の一報
- テミストクレスがスパルタ軍に協力依頼するもまたも断られる
- 海上戦 最終決戦
- テミストクレスとアルテミシアの一騎討ちでアルテミシア戦死
- スパルタ軍が駆けつける
- エンディング
……そこでエンディングかよ!!って感じで、非常に強く続きを匂わせる作りで終わってしまいました。むしろこれでクセルクセスとの最終決戦が描かれなかったらもうなんつーかすごいモヤモヤ。
そして新キャラにしても主人公のテミストクレスと右腕の副官、親友とその息子など光るキャラはいるんですが……。
如何せん前作が散歩と称して300人で100万人と戦いに行ったモリモリマッチョマンだったせいで、どうしてもそういうのを期待してしまってというのもあり……。
自分たちはスパルタ人である誇りを賭けて戦い、最後には神と自称したクセルクセスに血を流させることで「貴様は人間だ」と思い知らせる、クセルクセスのプライド(誇り)を傷つけることで一矢報いて試合に負けても勝負には勝つ。
前作の主役側キャラたちが全員「誇り」を貫くキャラだったのに対して、まぁ今作の烏合の衆っぷりと来たら……。戦闘スキルに全ての能力値を全振りしてたスパルタ軍が異常だったといえばそれまでですが、主人公のテミストクレスだけでもそれに匹敵するようなキャラ付けをして欲しかった。ストーリー中盤のアルテミシアとの交渉合戦以降、急に劣化スパルタ人みたいになっちゃって……。
アルテミシアの言う通り「あんたもただの男なんだよ!」ってことなのかー。
それに敵のペルシア海軍にしても、雑兵と無能敵将、自爆兵と火炎球ハンマー投げ、アルテミシアの随伴兵とどこか普通の範囲で収まってしまい……もっとハッタリかまして欲しかった。アルテミシアを除いて一人だけ無能じゃないっぽい描かれ方をしていた敵将も居たんですが、結局そのままフェードアウトしたし。
前作が数で押す雑兵、めちゃくちゃでかいゾウ、どこから連れてきたか分からないサイ、重装備に身を包んだ不死兵などバラエティ豊か。せむし男も裏切りで華を添えてた。
前作のそういう極端な誇張表現が評価を分けたらしいですが、私はあれで良かったと思う。
以上のような感じなので、ラストのスパルタ軍が駆けつけるシーンは鬱憤を晴らしてくれたような感じでうわーい!だったんですがすぐに終わってしまいました……(´・ω・`)
本当に次回作でスパルタ軍を含めたギリシア連合軍 vs 神となったクセルクセス率いるペルシア軍の巨大合戦やってもらわないと困っちゃうです。
続編だからと前作とばっかり比較してるのも悪いですが、全体の雰囲気が完全に別の映画じゃなくて同じ映画だからしゃーないです。
『300』を観た上で、それを補完するストーリーが観たいならという評価かなー。しかも次回作として最終決戦を描く作品が出るなら!という前提ですが。